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補助者の山口です。

昨日(4月20日)に、一つの争いを終結させる判例が出ました。

平成22年04月20日最高裁判決
裁判要旨
1 継続的な金銭消費貸借取引に関する基本契約に基づいて金銭の借入れと弁済が繰り返され,同契約に基づく債務の弁済がその借入金全体に対して行われる場合における利息制限法1条1項にいう「元本」の額
2 上記の場合において,上記取引の過程におけるある借入れの時点で従前の借入金残元本と新たな借入金との合計額が利息制限法1条1項所定の各区分における下限額を下回るに至ったときに,上記取引に適用される制限利率


引用元:判例


利息制限法は元本によって3種類の上限利率を定めています。
借りたり返したりを繰り返す継続時取引における元本とはなんなのかがまず問題となります。

これに対して判決では、
各借入れの時点における従前の借入金残元本と新たな借入金との合計額が利息制限法1条1項にいう「元本」の額に当たると解するのが相当であり,同契約における利息の約定は,その利息が上記の「元本」の額に応じて定まる同項所定の制限を超えるときは,その超過部分が無効となる。

としています。

この判断によれば、90万(上限利率年18%)借入があるところから、さらに20万円借り入れると、元本は110万円となり、上限利率はその時点から年利15%となります。

その次に問題となるのは継続的に返済して元本が減った場合の上限利率です。

110万円(上限利率年15%)の借り入れがある状態で、20万円弁済すると、元本は90万円となりますが、制限利率は18%に引き上げれられるのでしょうか?

それに対して判決では、
ある借入れの時点で上記の合計額が同項所定の各区分における下限額を下回るに至ったとしても,いったん無効となった利息の約定が有効になることはなく,上記取引に適用される制限利率が変更されることはない。

と判断してます。

元本が90万円になっても、制限利率は変更されないで、年15%のままとなります。

この部分で争うことは実際は少ないとは思いますが、不確定だった部分がはっきりして良かったと思います。

 補助者山口
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