補助者をやってます。山口です。

今回は最高裁判所平成18年9月4日判決の判決についての解説の紹介です。


判例解説 民法(家族法)

http://www.tkclex.ne.jp/commentary/family.html
民法(財産法)のNo.1が該当する解説です。

生まれたての他人の子を貰いうけ、自分の嫡出子として届け出ることは
かつてはそれほど珍しいことではなかったそうです。

この出生届は無効ですが、養子縁組と考えて親子関係を認めるべきという学説も
有力に主張されていました。(無効行為の転換論)

しかし、判例は一貫してこの無効行為の転換を認めませんでした。
養子縁組は強行規定の要式行為であるから、
法に則った養子縁組の届け出をしていない以上、養子縁組とは認められないということです。

ただ、虚偽の出生届をして長年親子関係があった場合に
親自身から親子関係不存在確認の訴えを認めることなどは疑問が生じる余地があります。

そこで最高裁判所平成18年9月4日判決の判決は
以下のような事情を考慮して一定の場合には
親子関係不存在確認の訴えは権利乱用に当たるとしました。

1 実の親子同様の生活があった期間
2 当事者および関係者の精神的苦痛、経済的不利益
3 改めて養子縁組をすることで嫡出子の身分を得られる可能性
4 親子関係不存在確認の請求をするに至った経緯、動機、目的
5 第三者が受ける不利益、その他諸般の事情


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 補助者山口
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