2013年 1月の記事一覧
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相続放棄とは、被相続人の財産を全て放棄し、最初から相続人ではなかったものとする方法です。被相続人の遺した遺産よりも、借金のほうが明らかに多いような場合には相続放棄をすべきでしょう。
ただし、借金が多い場合に相続放棄をしたとしても、次の順位の相続人に借金がまわっていくことになるため、注意が必要です。つまり、たとえば父が亡くなって、妻と子供全員が相続放棄したとしても、次の順位の相続人である祖父や祖母が借金を相続することになり、祖父や祖母も相続を放棄した場合にも、父の兄弟姉妹が借金を相続することになります。相続人になる全ての者が相続放棄をしてはじめて、借金を相続することを避けることができます。
【相続放棄と生命保険金】
たとえば、夫が亡くなり、妻を生命保険の受取人にしていたとして、妻が相続放棄をすると、保険金の受け取りができなくなってしまうでしょうか。これについては、生命保険の契約内容によって異なります。保険金の受取人が妻になっている場合には、妻は相続放棄をしても、保険金を受け取ることができます。保険金を受け取る権利は、相続人としての権利ではないからです。これに対して、被相続人を保険金の受取人とするような契約内容の生命保険があります。このような契約内容の保険の場合には、保険金は相続財産となるため、妻は相続放棄をすると、保険金を受け取ることができなくなります。
【代襲相続との関係】
代襲相続というのは、被相続人が亡くなるよりも前に法定相続人が死亡した場合に、その法定相続人の子供や孫が代わりに相続人となるという制度です(民法887条2項)。法定相続人の死亡の場合だけではなく、相続欠格事由に該当したり廃除されたりしたような場合にも代襲は起こります。しかし、法定相続人の相続放棄の場合には、代襲は起こりません。民法887条2項の条文には、代襲原因として「死亡」「欠格」「廃除」のみが規定されており、相続放棄は入っていないからです。
当事務所の相続放棄関連ページ
相続放棄(相続登記)
※相続放棄は、自己のために相続が発生したことを知ってから3か月以内に家庭裁判所に申請しなければいけません(民法921条2項)お早めにご相談ください。
ただし、借金が多い場合に相続放棄をしたとしても、次の順位の相続人に借金がまわっていくことになるため、注意が必要です。つまり、たとえば父が亡くなって、妻と子供全員が相続放棄したとしても、次の順位の相続人である祖父や祖母が借金を相続することになり、祖父や祖母も相続を放棄した場合にも、父の兄弟姉妹が借金を相続することになります。相続人になる全ての者が相続放棄をしてはじめて、借金を相続することを避けることができます。
【相続放棄と生命保険金】
たとえば、夫が亡くなり、妻を生命保険の受取人にしていたとして、妻が相続放棄をすると、保険金の受け取りができなくなってしまうでしょうか。これについては、生命保険の契約内容によって異なります。保険金の受取人が妻になっている場合には、妻は相続放棄をしても、保険金を受け取ることができます。保険金を受け取る権利は、相続人としての権利ではないからです。これに対して、被相続人を保険金の受取人とするような契約内容の生命保険があります。このような契約内容の保険の場合には、保険金は相続財産となるため、妻は相続放棄をすると、保険金を受け取ることができなくなります。
【代襲相続との関係】
代襲相続というのは、被相続人が亡くなるよりも前に法定相続人が死亡した場合に、その法定相続人の子供や孫が代わりに相続人となるという制度です(民法887条2項)。法定相続人の死亡の場合だけではなく、相続欠格事由に該当したり廃除されたりしたような場合にも代襲は起こります。しかし、法定相続人の相続放棄の場合には、代襲は起こりません。民法887条2項の条文には、代襲原因として「死亡」「欠格」「廃除」のみが規定されており、相続放棄は入っていないからです。
当事務所の相続放棄関連ページ
相続放棄(相続登記)
※相続放棄は、自己のために相続が発生したことを知ってから3か月以内に家庭裁判所に申請しなければいけません(民法921条2項)お早めにご相談ください。
所有者に相続が発生した時には、不動産については、名義が自動的に変更されることはありませんので、名義を相続人に変更する手続きが必要となります。これを、相続登記といいます。
相続登記の手続きは、通常、司法書士に依頼される場合が多いと思われますが、自分ですることもできます。名義変更の登記の申請は、不動産を管轄する法務局に対して申請します。たとえば、大阪市中央区の不動産についての相続登記であれば、大阪法務局が管轄法務局となります。
登記の申請は、不動産登記法改正以前は、実際に法務局に足を運んでする必要がありましたが、現在は、郵送で行ってもかまいません。登記完了時に発行される「登記完了証」や「登記識別情報通知書」などを返送してもらうためには、返信用の封筒を添付する必要があります。
法務局では、相続登記の手続きに関する相談を随時受け付けていますので、相談に行ってみて、自分で必要な戸籍等の書類を集めて、法務局でもらった登記申請書に書き込めば、専門家に依頼することなく、自分で登記手続きをすることができます。ただ、専門的な手続きですので、時間と手間がかかります。相続登記に必要な戸籍は、被相続人の出生から死亡までの一連の戸籍・除籍・原戸籍と、相続人の現在の戸籍であり、取り寄せには時間と手間がかなりかかることは間違いありません。相続登記には期限はありませんので、じっくり手続きされるのであれば、自分で手続きをすることも可能です。
不動産の名義を変更する場合、税金がかかります。相続税とは別に、名義変更のための税金である、「登録免許税」というものがかかってきます。登録免許税の税率は、固定資産税評価額の0.4%です。申請書に収入印紙を貼付して納付します。
当事務所の相続登記関連ページ
不動産の名義変更(相続登記)
相続登記の手続きは、通常、司法書士に依頼される場合が多いと思われますが、自分ですることもできます。名義変更の登記の申請は、不動産を管轄する法務局に対して申請します。たとえば、大阪市中央区の不動産についての相続登記であれば、大阪法務局が管轄法務局となります。
登記の申請は、不動産登記法改正以前は、実際に法務局に足を運んでする必要がありましたが、現在は、郵送で行ってもかまいません。登記完了時に発行される「登記完了証」や「登記識別情報通知書」などを返送してもらうためには、返信用の封筒を添付する必要があります。
法務局では、相続登記の手続きに関する相談を随時受け付けていますので、相談に行ってみて、自分で必要な戸籍等の書類を集めて、法務局でもらった登記申請書に書き込めば、専門家に依頼することなく、自分で登記手続きをすることができます。ただ、専門的な手続きですので、時間と手間がかかります。相続登記に必要な戸籍は、被相続人の出生から死亡までの一連の戸籍・除籍・原戸籍と、相続人の現在の戸籍であり、取り寄せには時間と手間がかなりかかることは間違いありません。相続登記には期限はありませんので、じっくり手続きされるのであれば、自分で手続きをすることも可能です。
不動産の名義を変更する場合、税金がかかります。相続税とは別に、名義変更のための税金である、「登録免許税」というものがかかってきます。登録免許税の税率は、固定資産税評価額の0.4%です。申請書に収入印紙を貼付して納付します。
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不動産の名義変更(相続登記)
被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした相続人については、その特別に寄与した分だけ、相続分を多くしてもらうことができます。これを、寄与分といいます(民法904条の2)。寄与分は共同相続人間の協議によって決めますが、協議が整わないときは、寄与者の請求により、家庭裁判所が定めます(民法904条2項)。
寄与分は、相続人にしか認められません。したがって、内縁の妻や相続人の配偶者のように、相続人ではない者がいくら特別な寄与をした場合であっても、寄与分は認められません。
また、寄与分が認められるためには、相続財産の維持又は増加に「特別の」寄与が必要です。通常の寄与では足りません。特別の寄与とは、通常期待される程度を超える貢献であると言われています。相続人が特別の寄与をしたと考えていても、裁判所は、特別の寄与ではなく、通常期待される程度の寄与しかしていないと判断する、ということが起こりえます。被相続人の療養看護に努めたということで寄与分の主張をしたケースで、身分上当然であるとか、特別の寄与とまではいえないとして寄与分を否定された審判の例が数多くあります。
【寄与分の具体例】
父が亡くなりました。相続人は母と長男である私と弟の3人です。父の遺産総額は2500万円、3人の話し合いの結果、母の療養看護を500万円の寄与分とすることになりました。この場合、各相続人の相続分はいくらになりますか。
↓回答↓
寄与分を控除したものを相続財産とみなし、法定相続分に寄与分を加えた額をもって寄与者の相続分とするため、下記のようになります。
【母の相続分】
(2500万円-500万円)×1/2+500万円=1500万円
【長男の相続分】
(2500万円-500万円)×1/4=500万円
【二男の相続分】
長男の相続分と同じ
寄与分の定めがない場合には、母の相続分は1250万円、長男二男の相続分は各625万円ですが、母に500万円の寄与分を定めた場合、母の相続分は1500万円、長男二男の相続分は各500万円となります。
寄与分は、相続人にしか認められません。したがって、内縁の妻や相続人の配偶者のように、相続人ではない者がいくら特別な寄与をした場合であっても、寄与分は認められません。
また、寄与分が認められるためには、相続財産の維持又は増加に「特別の」寄与が必要です。通常の寄与では足りません。特別の寄与とは、通常期待される程度を超える貢献であると言われています。相続人が特別の寄与をしたと考えていても、裁判所は、特別の寄与ではなく、通常期待される程度の寄与しかしていないと判断する、ということが起こりえます。被相続人の療養看護に努めたということで寄与分の主張をしたケースで、身分上当然であるとか、特別の寄与とまではいえないとして寄与分を否定された審判の例が数多くあります。
【寄与分の具体例】
父が亡くなりました。相続人は母と長男である私と弟の3人です。父の遺産総額は2500万円、3人の話し合いの結果、母の療養看護を500万円の寄与分とすることになりました。この場合、各相続人の相続分はいくらになりますか。
↓回答↓
寄与分を控除したものを相続財産とみなし、法定相続分に寄与分を加えた額をもって寄与者の相続分とするため、下記のようになります。
【母の相続分】
(2500万円-500万円)×1/2+500万円=1500万円
【長男の相続分】
(2500万円-500万円)×1/4=500万円
【二男の相続分】
長男の相続分と同じ
寄与分の定めがない場合には、母の相続分は1250万円、長男二男の相続分は各625万円ですが、母に500万円の寄与分を定めた場合、母の相続分は1500万円、長男二男の相続分は各500万円となります。
亡くなった方から遺贈を受け、又は婚姻や養子縁組のためもしくは生計の資本として贈与を受けた相続人については、その遺贈や贈与を考慮して、他の相続人よりも少ない相続分を定めることになっています。これを、特別受益といいます(民法903条)。相続人間の平等のための制度です。
婚姻の際に結納金をもらった相続人がいる場合や、学費を出してもらった相続人がいる場合、不動産のようなある程度価値のあるものの贈与を受けた相続人がいる場合には、その相続人は特別受益者として、その受けた利益を差し引いて相続分が定められることになります。
【特別受益の具体的事例】
夫が亡くなりました。相続人は妻である私と長男と長女です。夫の遺産総額は2000万円、長男は相続人の中で唯一大学進学のための学費400万円を出してもらっています。この場合、各相続人の相続分はいくらになりますか。
↓回答↓
被相続人が相続開始の時において有した財産の価額に生前贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、相続分から生前贈与の価額を控除した残額を特別受益者の相続分とします。
【妻の相続分】
(2000万円+400万円)×1/2=1200万円
【長男の相続分】
(2000万円+400万円)×1/4-400万円=200万円
【長女の相続分】
(2000万円+400万円)×1/4=600万円
上記の例で、長男が出してもらった学費が800万円であった場合、長男の相続分は、2000万円+800万円×1/4-800万円=-100万円となりますが、これについては長男は返還の必要がないというのが判例・通説です。
この場合に、不足する100万円を妻と長女がどのように負担するかについてはいろいろな説がありますが、審判例では次のような計算法がよく用いられます。
【妻の相続分】
(2000万円+800万円)×1/2=1400万円
2000万円×1400万円 / (1400万円+700万円)=1333万3333円
【長男の相続分】
(2000万円+800万円)×1/4-800万円=-100万円
返還の必要なし
【長女の相続分】
(2000万円+800万円)×1/4=700万円
2000万円×700万円 / (1400万円+700万円)=666万6666円
婚姻の際に結納金をもらった相続人がいる場合や、学費を出してもらった相続人がいる場合、不動産のようなある程度価値のあるものの贈与を受けた相続人がいる場合には、その相続人は特別受益者として、その受けた利益を差し引いて相続分が定められることになります。
【特別受益の具体的事例】
夫が亡くなりました。相続人は妻である私と長男と長女です。夫の遺産総額は2000万円、長男は相続人の中で唯一大学進学のための学費400万円を出してもらっています。この場合、各相続人の相続分はいくらになりますか。
↓回答↓
被相続人が相続開始の時において有した財産の価額に生前贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、相続分から生前贈与の価額を控除した残額を特別受益者の相続分とします。
【妻の相続分】
(2000万円+400万円)×1/2=1200万円
【長男の相続分】
(2000万円+400万円)×1/4-400万円=200万円
【長女の相続分】
(2000万円+400万円)×1/4=600万円
上記の例で、長男が出してもらった学費が800万円であった場合、長男の相続分は、2000万円+800万円×1/4-800万円=-100万円となりますが、これについては長男は返還の必要がないというのが判例・通説です。
この場合に、不足する100万円を妻と長女がどのように負担するかについてはいろいろな説がありますが、審判例では次のような計算法がよく用いられます。
【妻の相続分】
(2000万円+800万円)×1/2=1400万円
2000万円×1400万円 / (1400万円+700万円)=1333万3333円
【長男の相続分】
(2000万円+800万円)×1/4-800万円=-100万円
返還の必要なし
【長女の相続分】
(2000万円+800万円)×1/4=700万円
2000万円×700万円 / (1400万円+700万円)=666万6666円
法定相続分とは、民法で定まった相続の割合のことです。必ずこの割合で分けるというものではありませんが、亡くなった方が遺言を残していない場合、相続人は、この法定相続分の割合で財産を相続することになります。遺言があれば、その内容が優先します。
そして、相続人が、法定相続分以外の割合で相続をしたいと希望する場合には、相続人全員での協議、話し合いとなります。この協議を遺産分割協議と言います。遺産分割協議の内容は、相続人全員が同意するのであればどのような内容でも可能です。長男がすべての財産を相続するとか、奥さんが自宅のマンションを相続して、預金は長男と長女で2分の1ずつ相続するとか、そのような内容で定めても有効です。
ただし、亡くなった方の残した借金については、相続人全員で合意しても、その内容を債権者には主張できない場合があります。たとえば、長男は生活に余裕があり、財産もたくさん持っているが、次男は多重債務の状態で、いつ自己破産となるかわからないような場合に、次男がすべての借金を支払うという遺産分割協議をしたとします。そんな場合に、債権者はその遺産分割協議に従い、次男にのみ請求ができ、長男には請求できないとすると、次男が自己破産などをして、相続債務の支払いを免れることも可能になってしまいます。このような方法を防ぐため、借金を相続人の誰が引き継ぐかという点についての遺産分割協議については、債権者の同意がなければ有効にならないとされています。
法定相続分の割合は、民法で次のとおり定められています。
【法定相続分の割合】
亡くなった人の配偶者は常に相続人となります。そして、配偶者以外の人は、次の順序と割合で、配偶者と一緒に相続人になります。
第1順位‐子供‐2分の1
第2順位‐直系尊属(父母や祖父母など)‐3分の1
第3順位‐兄弟姉妹‐2分の1
第2順位の人は、第1順位である子供がいない場合に、第3順位である兄弟姉妹は、第1順位である子供も第2順位である直系尊属もいないときに相続人になります。同一の順位の人が複数いる場合、たとえば子供が3人いる場合には、2分の1の相続分を3人でわけあうことになりますので、それぞれ6分の1の法定相続分となります。
そして、相続人が、法定相続分以外の割合で相続をしたいと希望する場合には、相続人全員での協議、話し合いとなります。この協議を遺産分割協議と言います。遺産分割協議の内容は、相続人全員が同意するのであればどのような内容でも可能です。長男がすべての財産を相続するとか、奥さんが自宅のマンションを相続して、預金は長男と長女で2分の1ずつ相続するとか、そのような内容で定めても有効です。
ただし、亡くなった方の残した借金については、相続人全員で合意しても、その内容を債権者には主張できない場合があります。たとえば、長男は生活に余裕があり、財産もたくさん持っているが、次男は多重債務の状態で、いつ自己破産となるかわからないような場合に、次男がすべての借金を支払うという遺産分割協議をしたとします。そんな場合に、債権者はその遺産分割協議に従い、次男にのみ請求ができ、長男には請求できないとすると、次男が自己破産などをして、相続債務の支払いを免れることも可能になってしまいます。このような方法を防ぐため、借金を相続人の誰が引き継ぐかという点についての遺産分割協議については、債権者の同意がなければ有効にならないとされています。
法定相続分の割合は、民法で次のとおり定められています。
【法定相続分の割合】
亡くなった人の配偶者は常に相続人となります。そして、配偶者以外の人は、次の順序と割合で、配偶者と一緒に相続人になります。
第1順位‐子供‐2分の1
第2順位‐直系尊属(父母や祖父母など)‐3分の1
第3順位‐兄弟姉妹‐2分の1
第2順位の人は、第1順位である子供がいない場合に、第3順位である兄弟姉妹は、第1順位である子供も第2順位である直系尊属もいないときに相続人になります。同一の順位の人が複数いる場合、たとえば子供が3人いる場合には、2分の1の相続分を3人でわけあうことになりますので、それぞれ6分の1の法定相続分となります。
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