2015年 4月の記事一覧

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15年04月29日 18時21分28秒
Posted by: shinmachi

登録免許税を軽減する住宅用家屋証明書ですが、
役所等で取得する際には下記のものが必要になります。

①建物の登記事項証明書
(建物の面積、築年数等の条件を確認するため)
(住宅用なので建物の種類が「居宅」であることも条件です。)
②新住所に住所移転後の住民票
(入居したことを確認するため)
③中古の場合は売買契約書
(売買があったことを確認するため)

※本人以外が取得する場合は委任状が必要になるところもあります。

通常すべてコピーで大丈夫です。
あとは所定の申請用紙に記入をして担当窓口に提出します。
(取得に1通1300円かかります。)

問題は②の「住所移転後の住民票」ですが、ケースによっては
融資実行を急ぐ関係上住所移転前に登記をしなければならない
こともあります。そういった場合は軽減できないのでしょうか。

ときどき新住所に住所を移転しなければ家屋証明書を取得できないと
勘違いをされている方がいますが、住所移転前(旧住所)のままでも
申立書を添付すれば住宅用家屋証明書は取得できます。
「住所移転前に登記をする事情があります。後日すみやかに住所移転
をしますので家屋証明書を取得したい」という内容の申立てをします。
さらにこの申立書には現在の住居の状況・処分予定が分かる資料を
添付します。例えば現在の住居が賃貸であれば賃貸借契約書のコピー、
現在の住居を売却予定であればその売買・媒介契約書のコピーなど
です。要は今現在の住所(住居)から新しい住所に移転するつもりが
あることが間接的に分かる資料を提出します。

この申立書ですが、当然ですが後日すみやかに住所移転をすることが
前提です。住所移転(住む)つもりがないのに登録免許税の軽減をする
ためだけに申立てをするのは虚偽の申立てになるのでご注意下さい。

15年04月28日 17時38分48秒
Posted by: shinmachi

登記をするには登録免許税という税金がかかります。
この登録免許税ですが、居住用の建物を売買によって購入または新築
した場合などは一定の条件(面積、築年数等)を満たせば軽減されます。
上記の一定の条件を満たしていることを証明する証明書のことを
「住宅用家屋証明書」と言います。(市役所等で取得します。)
法務局はこの証明書が申請に添付されていれば条件が満たされている
と判断して軽減した登録免許税で登記を受け付けてくれます。

この軽減ですが差額が大きいので、可能な場合は必ず取得します。
(通常司法書士が可否を判断して取得します。)
以下中古住宅(土地建物)の売買の場合で計算例を記載します。

建物の評価額が「500万」の場合の売買による所有権移転の
建物の登録免許税は、
通常→5,000,000円×20/1000=100000円です。
軽減→5,000,000円× 3/1000= 15000円です。
上記のようになります。

住宅用家屋証明書は建物についての証明なので土地の登録免許税は
軽減されません。(※ただし、土地の売買による移転登記については、
平成27年現在別の登録免許税の軽減は適用されます。)

住宅ローンを利用する場合の抵当権設定登記の免許税も軽減されます。
抵当権は土地建物両方に設定しますが、先ほど記載したとおり住宅用
家屋証明書の軽減は建物のみ対象です。そうなると土地は通常・建物は
軽減という状態になります。設定登記の登録免許税の計算は債権額に
税率を掛けることになっていますが、この場合の計算はどうするのかが
問題になります。結論は抵当権設定登記の登録免許税は異なる税率の
設定対象が複数ある場合は最も低い税率で計算してよいというルールが
あります。よって土地建物両方の設定も住宅用家屋証明書の軽減税率
で計算できるというわけです。

債権額(融資額)が「2000万」の場合の土地建物の抵当権設定登記の
登録免許税は、
通常→20,000,000円×4/1000=80000円です。
軽減→20,000,000円×1/1000=20000円です。
上記のようになります。

次回で住宅用家屋証明書の取得に必要な書類の説明をします。

15年04月12日 12時49分26秒
Posted by: shinmachi

一般のお客様からの依頼が多い(根)抵当権抹消登記。
金融機関等から書類を受け取ったあとすみやかに司法書士に依頼を
する(または自分で申請する)人がほとんどですが、なかには忘れてその
まま数ヶ月~数年放置するケースもあります。
その後思い出して依頼をされるわけですが、放置しているうちに書類を
一部紛失されていることもあります。
以下いくつかのケースを記載します。

資格証明書の期限切れの場合
 金融機関等から書類を預かるとそのなかに「代表者事項証明書」など
  金融機関の
代表者の資格を証明する書類があります。これには3ヶ月
  以内という期限があります。
 (金融機関等からの文書にもいつまでに
  申請して下さいとの記載が通常あります。)
この期限が切れてしまった
  場合ですが、これは法務局で誰でも600円で取得できます。
わざわざ
  金融機関等に再発行を依頼しなくても大丈夫です。

※平成27年11月より原則資格証明書は添付不要、
  会社法人番号を登記申請書に記載することになりました。

②押印書類を紛失した場合
 (根)抵当権抹消登記は(根)抵当権者である金融機関等が申請人になります。
  そのため金融機関等から書類のなかに金融機関等の委任状がある
    はずです。あと抵当権が消滅したことを証する書面、「解除証書」や
    「弁済証書」などもあるかと思います。上記の書類には金融機関等が
    押印をしてますが、その書類を紛失した場合はどうするのか。これは
    金融機関等に事情を話して再発行をしてもらうことになります。なおいき
    なり司法書士が事情を話しても個人情報の関係上必ずお客様に確認を
    とります。そのためまずお客様から金融機関等に連絡してもらい、その
    後に司法書士が動くことになります。

③登記済証(登記識別情報)を紛失した場合
 金融機関等の書類のなかに登記済証(契約書等に四角に赤いハンコ
   が押印)や登記識別情報 (下に緑色のシール)という(根)抵当権の
  効力を証する書類があるはずです。この書類を紛失した場合はどうするのか。
 これらの書類は(根)抵当権を設定した際に法務局から発行されますが、
  権利書と同じで再発行は不可です。ではこの書類無しで抹消するには
  どうしたらいいのか。
 抹消登記のみの場合通常「事前通知」という方法を使います。
 上記の書類無しで法務局に抹消登記を申請すると、登記義務者(その
  登記によって不利益を受ける人)に「重要な書類である効力を証する
  書面が添付されていないが、本当に抹消していいのか?」という照会が
  されます。そこで登記義務者(抹消の場合は金融機関等)がその照会に
  対して、一定期間内に 「抹消して問題ありません」と回答します。その
  回答によって法務局が登記義務者の意思確認をして抹消登記をしてく
  れるという流れです。この方法で申請する場合金融機関等の印鑑証明書
 (委任状も会社実印押印)が必要になります。金融機関等に書類紛失の
  事情を説明して、事前通知を用いること及び印鑑証明書の発行・委任状
  の差し替えなどの協力を求めることになります。

(根)抵当権設定登記は完済しても自動的に消えるわけではなく、法務局
 に抹消登記の申請が必要です。放置せずにすみやかに手続きをすすめる
 ことをおすすめします。

15年04月03日 17時30分59秒
Posted by: shinmachi

例えば東京にお住まいの方が藤沢の土地の登記を
したい場合、近くの東京の法務局に行けば申請できるのか?
「申請できない」が答えです。

法務局には場所ごとに管轄があります。
藤沢の不動産の場合は下記の湘南法務局に申請する必要が
あります。管轄違いの申請は却下になりますのでご注意下さい。

 横浜地方法務局湘南支局
(住所:藤沢市辻堂神台二丁目2番3号)



※少し前は藤沢、茅ヶ崎、鎌倉にそれぞれ法務局がありましたが、
  統合して辻堂に湘南法務局ができました。

では東京にお住まいの方が藤沢の土地の登記を
したい場合、わざわざ辻堂まで来る必要があるのでしょうか?
「必ずしも来る必要はない」が答えです。

現在の登記申請は郵送申請が認められています。
登記申請書と添付書類を法務局に郵送すれば辻堂まで来る
必要はないです。(もちろん来て直接申請してもOKです。)
※もう一つオンライン申請という方法がありますが、これは一般の方
 はやらないと思いますので説明は省略します。ちなみにオンライン申請
 の場合でも添付書類等の郵送は必要です。

あと東京にお住まいの方が藤沢の土地の登記事項証明書(登記簿謄本)
を取得したい場合、近くの東京の法務局に行けば取得できるのか?
「取得できる」が答えです。

交換システムといって管轄外の法務局の登記事項証明書も
最寄りの法務局で取得することができます。

15年04月01日 16時59分12秒
Posted by: shinmachi

相続登記の依頼の際によく
「完了までどのくらいの期間がかかりますか」
という質問を受けます。

遺産分割による相続登記の場合は
「だいたい2カ月ぐらいが目安になります。」
とお答えしてます。

時間(日数)がかかるのが下記3つです。

①被相続人の戸籍収集作業
  相続登記には被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本が必要です。
  相続人の特定のためです。まず直近の除籍謄本(死亡の記載のある)
  を取得して、そこから順次さかのぼって取得します。そのため最終的に
  何通必要で、何箇所に請求する必要があるのかは最初の時点では分
  かりません。取得した戸籍を確認して、次の請求を判断することになり
  ます。本籍が遠方の場合は郵送での請求になるので、郵送日数もかか
  ることになります。

②相続人の遺産分割協議書への押印
  遺産分割による相続登記の場合は遺産分割協議書に実印で押印を
  していただくことになりますが、当然相続人全員が押印する必要があり
  ます。そのため例えば相続人の数が多い場合などは全員が押印する
  までに時間がかかることがあります。(遺産分割協議書は1枚に全員
  が押印するのが一般的ですが、同じ内容のものをそれぞれ各別に押印
  して全部を合わせても有効です。相続人が全国各地にいる場合1枚形式
  の持ち回りだとあまりに時間がかかるため、その場合は同じものをそれ
  ぞれに渡して、各別に押印していただく方法をとります。)

③法務局の登記の処理期間
  相続登記は法務局に申請しますが、申請したその日に終了するわけ
  ではありません。申請から完了まで法務局での処理の期間があります。
  (数日から2週間ぐらい)申請した際に「補正日」という完了予定日を
  確認してそれ以降に受け取りに行きます。法務局が混雑している場合
  はこの期間も長くなります。

逆に上記がない案件の場合、例えば
①被相続人の戸籍はすでにそろっている
②遺産分割協議書は不要(相続人は1名のみ・法定相続分で登記)
③法務局が混雑してない(補正日までの日数が短い)
は依頼から完了まで2週間~1カ月で終了することもあります。

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