集団の中に新型コロナウイルス感染者がいる確率
新型コロナウイルス感染対策のひとつに、「5人以上の会食を控えましょう」というのがありました。
多くの国民が、「5人以上の会食」を控えている一方で、政府首脳が会食をしていたという報道がされ、不信感が募ります。
不信感(感情の問題)は、さておき、5人集まった人々(集団)の中に、新型コロナウイルス感染者がいる確率は、数学的に計算することができます。数学的な計算は、仮定をたてておこなうので、日々市中で発生している感染拡大と一致するわけではありませんが、自分や家族が感染しないための客観的な指針を与えてくれると思います。
これからの話は、“〇人集まった中に、感染者がひとりもいない確率”を計算するものです。「感染者がいるか、いないか」の話であって、「感染するか、しないか」の話ではありません。感染するかどうかは、感染対策(マスクの使い方、手の洗い方、換気のしかた)の問題です。この点を誤解しないように、お読みください。
まず、結論を書きます。
この結論が、どのような仮定と考え方から導いたか、興味のある方は結論の後をお読みください。
人数 ひとりもいない確率 ひとり以上いる確率
5人 99.5% 0.5%
10人 99.0% 1.0%
50人 95.1% 4.9%
100人 90.4% 9.6%
500人 60.6% 39.4%
1000人 36.7% 63.3%
5000人 0.6% 99.4%
1万人 0.0% 100.0%
注:「市中に存在する感染者の数」を1000人にひとりと仮定して計算しています。
注:リスクに関する計算なので、「いない確率」は少数第2位を切り捨て、「いる確率」は小数第2位を切り上げています。
ここからは上記の計算の考え方の説明です。
確率といえば、サイコロです。
直感的にわかる話から始めます。サイコロの1の目が、感染者だとしましょう。2,3,4,5,6の目は、感染者ではないとします。
サイコロを一回振った時(つまり、ひとりの時)、感染している確率は6分の1です。感染していない確率は6分の5です。
次に、サイコロを二回振った時(つまり、ふたりの時)、ふたりとも感染していない確率は(6分の5)の2乗です。つまり36分の25(69%)です。
一応補足すると、感染している確率(6分の1)に目を向けないことが大切です。(6分の1)の2乗である36分の1(2.7%)はふたりとも感染している確率です。ひとりが感染している確率は、2×(6分の1)×(6分の5)、つまり36分の10です。
△人が感染している確率は、「二項分布」といって、数学が好きな人にとっては楽しい計算なのですが、数学が嫌いな人は見るのも嫌でしょうから、これ以上触れません。
サイコロの例からわかることは、(感染している確率ではなく)感染していない確率を定めて、それを〇乗すると、“〇人集まった中に、感染者がひとりもいない確率”を計算することができるということです。
毎日毎日、新規感染者数が発表されています。発表されている数は、「市中に存在する感染者の数」ではありません。
むしろ、感染がわかれば、入院なり自宅療養なりによって市中を出歩かなくなるわけですから、「新規感染者数」は、「市中から減った感染者の数」というべきです。
それなら、「市中に存在する感染者の数」はというと、専門家は推計しているはずですが、はっきりした数は、誰にもわからないはずです。少なくとも、はっきりわかっていることは、「市中に存在する感染者の数」毎日変わっているということです。
とはいうものの、計算するためには、「市中に存在する感染者の数」を仮定しなければなりません。新型コロナウイルスに感染してから(感染した直後は無症状です)、感染したことがわかるまで、5日くらいかかると考えましょう。東京都での新規感染者数が2000人の場合、その5倍は、1万人です。東京都の人口は約1000万人なので、人口に対する感染者の割合(感染している確率)は、1000万分の1万(つまり1000分の1)です。
東京都の感染者数がこれより多い時もありましたが、感染している確率を1000分の1と仮定すれば、感染防止の目安としては充分だと思います。
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