胎蔵界曼荼羅掛軸と桐箱の話 No.381
記事投稿日時:2019年07月23日火曜日
投稿者:司法書士川崎恭也事務所 カテゴリー: General
古美術品のタグを大きくしたいために書きました。
2年前の話です。寺院と密接な関係がある運び屋さんが胎蔵界曼荼羅の掛軸を持ってきていただきました。軸先の長さが117センチあります。私も実を言いますと欲しかったのです。これはチャイナルートからのものではありません。四十年前か五十年前かわかりませんが、とにかく高野山で修業したお坊さんが、お寺に入ることになり、この掛軸を150万円で高野山にある本山から買ったそうです。運び屋さんの話では明治時代に作られたそうです。紙ではなく絹本に描かれていますが、古いせいか一部絹本が浮きあがっているところがあります。勿論直すつもりはありません。私の手元に入ったお値段は25万円です。これなどはなんでも鑑定団に出してみたいですね。私の鑑定では500万はするのではないかと思います。しかし持ってきたときは箱なしでして、そのままの裸でした。大幅ですからね、そう簡単に桐箱などは見つかりませんよね。どんな保存をしていたのかわかりません。ところが不思議なこともありまして、私が掛軸のコレクターになったのは、平成の初め頃です。いわゆるバブルの初め頃です。株がえらい勢いで上がるのを横に見ながら、株には目もくれずひたすら集めました掛軸を買うお金をね。すぐに毎日が自転車操業になりましたよ。中を取り持つ当時は別の運び屋のおっさんが先に掛軸を持って見せにくるのです。少ない事件数で大変でしたが、最後までやり抜きましたよ。その時にそのコレクションを持っていた人が空の桐箱があるけど欲しいかと言われまして、私も勿論欲しいと言いましたよ。今から30年前の話です。しばらくの間空の桐箱には中国の明時代の美人画家実父仇英の4幅対を入れておきました。幅が小さくてちょうど4本入る大きさでしてとりあえず入れておきました。この最初の高齢の掛軸コレクターは美術館級の掛軸なのに桐箱に入っていませんので、困りましたよ。いまその4幅対は桐箱のオークションで2箱買いまして、各2本ずつ入れてあります。この空の桐箱には入らないと思いましたが、なんと内径118センチぴったり合いました。内径の横幅も8センチありましてぴったりですよ。恐ろしいですね買えば3万円以上はしますよ。まるでこの掛軸を待っていたかのようです。しかしよくまー箱なしで置いといたものですよ。これは田原市にあれば田原市重要美術品に指定されますよ。あとは金剛界曼荼羅があればいいのですがね。お寺が減っていますので、出てくるかもしれません。 それではこれを右側にある古美術品のタグに入れます。
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