今度の天皇陛下は明治天皇です。オークションで明治天皇が描かれた掛け軸が出ていました。天皇を肉筆で描かれた掛け軸ですので珍しく、即買う事にしました。とりあえず510円で2番目で入札いたしました。画家は尾竹越堂です。箱書きも又凄い人が書いているのです。表の箱書きは東郷平八郎です。「 仰聖明  東郷平八郎謹書く 花押 」と書かれています。裏には「 頭山満 拝 」と書かれています。裏の方は全く知りませんでしたが、後でなんとなく調べたところ、この方も凄い人だと分かりました。立派な二重箱に入っていましたので、とてもきれいな新品に見れるほどの桐箱に書かれていました。大事にしていたのがすぐ分かりましたね。完全なコレクター向きの品物ですよ。これは絶対落とすぞと気合が入りましたね。そして今週の10月7日23時58分がオークション終了時間です。夜遅く設定されていました。この最終時間が近ずいてもそんなに値段は上がりませんでした。12,222円で後少し時間を残していました。私もこれで終了かと思っていました。あと2分ぐらいで終了ぐらいでしたからね。終了時間の画面を見ていましたところ、突然時間が変わって10分ぐらいに終了時間が伸びました。やれやれ誰かが参入してきましたよと思いました。頭文字がtですよ。ここから真夜中の死闘が始まりました。500円刻みで上がり続けました。夜中の1時を過ぎても上げてくるんですよ。私もついに頭に来まして「おまえは一体何者なのだ。いいかげんにしろ」とか、「おまえはバルチック艦隊の死んだ親戚の者か」だとか、「北方領土を返せこのロシア人め」とか言い続けました。「北方領土を早く返していれば、ロシアも中国以上に大発展してたのに、この馬鹿もんが」とか言いたい放題を言っていましたね。「もうすぐ1時30分になるぞ、眠たくはないのか、早く布団に入って寝ろ」とかね、もうどなりまくっていましたよ。私も途中でフェイントをかけたりしましたよ。時間ぎりぎりで入札したりしました。この頭文字tは入札数202回でベテランですよ。私はまだ16回ですからね、ちょぼいですよ。しかしこのtは一度も今回の入札で最初からは入ってきてないですね。初めて12,722円で入ってきてますよ。最後に入ろうと思っていたのかもしれませんね。そして12,222円からちょうど2万円アップの32,222円でやっと落ちました。tは20,000円アップの32,222円までがんばるつもりだったのかもしれません。tも欲しかったんだと思います。私もあとになって明治天皇の関係の他の出品物を見ましたら、結構な数が出ていました。しかしどれもいいかげんなものばかりで、この品物の様に二重箱で印刷なしの全部肉筆の掛け軸はないですね。箱書きも凄い人ばかりで、明治天皇物では今までで一番良いものではないかと思います。

 画家の尾竹越堂さんは、尾竹三兄弟の長男にあたる人です。実を言いますと私の亡父が尾竹越堂さんの弟の掛け軸を買って持っており、その関係で私も尾竹三兄弟を知っているのです。美術年鑑に三人の値段が載っている人ですからね驚きました。今回の絵は昭和5年の秋に描かれています。絵の中に「庚午之秋 芳克拝写」とありますので、間違いありません。この時は3人とも生存しています。翌年の12月に尾竹越堂さんが亡くなり、9年には東郷平八郎さんが亡くなり、昭和19年に頭山満さんが亡くなりました。この絵にはどんな経緯があったのでしょうか、知りたいですね。送られてきた掛け軸には何も入っていませんでした。

 

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