わからずやの女たち その2 田原市(地元)編 No115
記事投稿日時:2013年09月06日金曜日
投稿者:司法書士川崎恭也事務所 カテゴリー: General
この話の売主、買主は、私の事務所のある地元渥美町民です。その昔(昭和30年代頃)、農地の売り買いが行われました。その時は色々の都合で開墾したばかりの農地と言う事で、すぐには移転登記が出来ませんでした。しかし売買代金は全額支払いが完了していました。売却農地の耕作も、その日から当然ですが、買主の方が耕作をしてきました。その後、開墾からの時間の経過により売買移転登記が出来る状態になりました。そのため買主は移転登記を売主の方に求めました。しかし、売主は移転登記に応じませんでした。それから何十年も経過しました。売主の方より、まず先に買主の方が亡くなりました。そして、買主の娘さんの時代になり、この話を私の事務所に持ち込まれる事になりました。ある日、この農地の移転登記が、いまだに出来ていない事に気がついた娘さんが、私の古くからのお客さんと一緒に尋ねてこられました。私がその土地を色々調べましたところ、売主がかなり前に、この土地に細工をしていた事が分かりました。すぐに、買主の娘さんに細工を正しい状態に戻しておくよう助言して、直させました。売主の方もなかなかやるもんですね。まだ、この時点では売主のおじいさんは病院へ入退院を繰り返していましたが、生存していました。実は、売主の娘さんと買主の娘さんとは仕事上の顔見知りでした。それで、買主の娘さんが、売主の娘さんに、直接この話を持ちかけたところ、売主の娘さんは、「お父さんが亡くなったら登記をする」と、言ったそうです。これを聞いた買主の娘さんは裁判をしなくても、これで移転できると思いました。この買主の娘さんはしっかりものの娘さんです。はきはきと答えしっかりしていました。私はこの買主の娘さんに、この件で、一度だけ助言をしたことがありました。「今、売主は病院への入退院を繰り返しているから、ここで裁判に持って行ったら、相手はお金もあまりないように思えるし、体力的にも精神的にもかなり弱っているし、欠席裁判になる可能性もあり、簡単に勝てると思う」と、一度だけですが、裁判をすることを勧めたことがありました。しかし、裁判をすれば、弁護士費用も要りますので、相手の売主の娘さんの言葉を信じて、結局やらなかったですね。しかし、この判断は失敗でした。私が一番心配をしていたのは、裁判をするとなれば、この移転登記に協力してくれない、売主の子供を相手にするようになるんですからね、そして、心配が的中しました。売主が死亡して相続登記をしたのが、売主の話をしていた娘さん以外の相続人の方に相続登記をしてしまったのです。売主の子供だけあって、この相続人は相続登記をしたら自分の物に全部なると思ってるんですよ。今までは、私は売主の方とは一度も話をしていませんでしたが、ここで、私も初めてこの相続人と電話で話をしました。この方は「OO弁護士に話しましたので、OO弁護士に聞いてください」と言って電話を切りました。全面戦争に突入しました。すぐに、買主の方を私の知り合いの弁護士へ行かせました。私も裁判で勝つ為の心構えなどを指導しました。その後、最初の裁判に勝ちましたが、この売主の相続人は、弁護士を変えて、しぶとく又、戦いを挑んできました。勿論、最後は買主の方へ移転の登記が終わりましけどね。しかし、買主の方はお金をかなり使いました。買主の方が戦勝祝いの場を設けて下さったので、私の住んでる田原市内を走る旧国道259号線の前の料亭で祝杯を挙げました。その席で相手の相続人はこの裁判で一体いくらほど弁護士費用を使ったのかと、二人であのわからずやの女の話を酒のさかなにして話しました。
※本当に弁護士に頼めば売った土地が自分の元へ戻ってくると思ってるのかね。負けるに決まってるだろう。裁判前に1回でも話会い相談に応じればハンコ代よりもっと配当があったのに、欲をかきすぎです。女性の方は裁判で勝って土地を手に入れ、高い値段で売って儲けようとすると逆に大損しますよ。私の経験です。それにしても相手の女性は弁護士にいくらお金を払ったのか知りたいです。
※売主の相続登記をした、司法書士の先生に相談もしなかったのか、私に相談したら、 裁判は止めときなさいと絶対言います。
※司法書士と弁護士とが組めば、最強のタッグを組むことになり、無敵です。絶対に負けません。私の弁護士は、私がアイデアを出すと、さすが川崎さん、司法書士ですねとよく言われたものです。弁護士でも登記の事は知らない事があり、登記の事を教えた事があり、今ではそれを用いて裁判をやっています。偶然この弁護士の裁判書類を見る事が出来、私が教えた事を書類の中でやっていました。弁護士も色々な裁判事件を同時進行中であり、弁護士に頼べば安心と言うのは間違っています。あくまで、本人が真剣に考えて、弁護士にこう言え、ああ言えと指示をしなければ絶対勝てません。売主の相続人は、話を聞いたところ、全て弁護士任せだったようで、裁判の証人席では、チンプンカンプンな話をしていたそうで、話を聞いてそう思いました。その点、買主の娘さんには、裁判の心構えを教えてくれる、司法書士がいてラッキーでした。いい司法書士が、こんな、ど田舎にもいるのに、私を使わないのは、本当に残念です。
※買主のお父さんは日記をこまめに付けていた方でした。その日記に土地を買ったことや、移転登記に協力してくれなかったことが詳しく書かれていました。立派な証拠書類ですよ。買主の娘さんは他の先生で相続登記をしており、古くからのお客さんと、この土地が絡んでいたおかげで、裁判上手の私の所へ来る事が出来、ラッキーだったと思います。
※ 事件簿を調べますと平成19年6月に移転登記完了していました。
私のブログに、この話を載せますよ、と1年ぐらい前に話しました。
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(ドロシー・ロー・ノルト、レイチャル・ハリス共著)
親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る
この中に出てくる私の古くからのお客さんとはOO町の方ですが、その方も残念ですがこの後に、亡くなっています。その相続登記を事務所でやらせていただきました。息子さんが、お金も持たずに登記書類だけ先に貰っていきたいと言いましたので、私も黙って相続登記済書類を一式全部渡しました。息子さんがドアの処で振り向きながら言いました。「心配ですか?」と、私も一言だけ首をゆっくり振りながら、言いました「ぜんぜん」とね、それを聞いて安心したのか息子さんは出て行きました。勿論ですが、相続登記代は後から息子さんは払いにきました。この息子さんのお父さんを見れば、全く心配していませんでした。
もう一人の家族で、お金を払わずに相続登記済書類を持って行った方がいます。その方は「後でお金を持ってきます」と言って書類を持って行きました。この方は、XX町の方でしたが、真面目な、お父さんを知っていましたので、黙って書類を渡しました。勿論後で登記料を払いに来て下さいました。親を見れば子供がどんな子か分かるものです。
過去、お金を払わずに書類を渡したのはこの二組だけですね。いい思い出です。
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過去、お金を払わずに書類を渡したのはこの二組だけですね。いい思い出です。
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