平成22年1月頃の夕方に二人の依頼者が事務所に来られました。内容は交換登記です。3条許可書(2件)と交換登記(2件)で報酬は全部でいくら掛かりますかと尋ねられました。どこの町内の方か分かりませんでしたが、いつもの報酬を言いました。するとどこかで調べたのか、「おい、ここは安いぞ」と一人の方が後ろにいた人に話しました。後ろの方は最後まで一言も話しませんでした。私は内心この後ろにいる人はあんまり私のことを信頼していないなと思いました。結局後ろの方が一言も話さなかったので、今日は依頼せずに帰ると言われ、又二人で話した後で又来ることになりました。それから10日経った頃に、最初に来て話をした依頼人が来られ、私の処で交換登記をしたいと依頼されまた。早速、委任状に名前と住所を書いてもらいました。もう一人の方にも実印を持って来てもらうように話しました。二人とも中山町の方でした。話をした人をKさん、1度も話さなかった後ろにいた人をHさんとしますと、Hさんの所有地に無断転用地が見つかりました。勿論先に無断転用をしなければ農地交換の許可はおりませんので、Hさんにその話をしました。その無断転用地はすでに他の人の土地であり、その人が費用を出して、無断転用である現況証明書を取ることが必要な土地でした。私も少し前にその人の自宅敷地へ通ずる土地の移転登記をさせてもらっており、偶然、次に進むべき必要な移転登記の義務者の方が来てくれたのです。渡りに舟とはこのことですね。今回の偶然の登記の件でHさんが義務者になり移転登記をしたのは3人の方で、登記申請は3件になりました。仕事のない先生は無から有を作らなければいけませんので大変です。Hさんが義務者になり移転登記(贈与)をした土地には宅地があり、当然固定資産税が掛かっていました。実を言いますと、私と弟の調査士が分筆登記などを進め、そのために進入道路を付け替えたりしたために、今まで宅地だった土地は評価の安い現況雑種地評価になり、逆に進入道路宅地になったHさんの土地が現況宅地課税されたのです。Hさんは5年間も宅地の固定資産税を払っていました。そのため5年分の市役所からの固定資産税を払ったことが分かる市役所発行の用紙をたいせつに持っていました。このことは市役所の現況宅地となっていた価格通知書を見れば分かりますので、当然Hさんに今まで払ったことの分かる用紙を持って来て下さいと言ったところこの用紙を持って来てくれました。それでこの立て替えた固定資産税を私がOさんから集金してきてHさんに渡しました。Hさんもここで初めて私のことを信頼するようになりました。それで「実は10年ほど前に農業者年金を貰おうと依頼に行ったところ、分筆の必要な農地転用があるから農業者年金はやめときなさいと言われ、結局止めてしまった」と言う話を話しだしました。それでその土地を見に私も行って来ました。自宅のそばの農地に4坪ぐらいの通り抜けできる木造瓦葺の物体がありました。しかしその下にはキャベツが栽培されていました。私は「その土地はそのまま畑として申請すればよく、分筆も農地転用(現況証明書申請)も必要のない土地であり農業者年金申請には全く障害になることはないですよ」と、言いました。その後Hさんは当時の農業委員の方に聞いたらしくやはり農地転用など必要ない土地だったと言われたと私に話しました。結局Oさんへの進入道路宅地の現況証明申請は必要ですが、農業者年金は当時申請すれば必ず貰うことが出来たはずでした。それで私が「なぜ私の処に来なかったのですか?」と笑いながら言いました。Hさんも黙って、ただ苦笑いするだけでした。この方が中山町民でなければきっと私の事務所に来ていたでしょうね。中山町民はどれだけ損をすればいいのですか?早く目覚めて下さい。


農業者年金を貰わなかった人はまだ他にもいるかも知れません。私の事務所では全く考えられない話です。
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