不動産詐欺事件 その3 新人司法書士はこれを読んで肝に銘ぜよ No21
記事投稿日時:2011年11月28日月曜日
投稿者:司法書士川崎恭也事務所 カテゴリー: General
これは平成元年頃の事件です。土地所有者のSさんの息子さんが私の事務所へ来た時から話は始まります。「先生ありがとうございました」事務所に入ってくるなり男はそう言いました。私はその時はまったくなんの話でお礼の言葉を言うのか全く分かりませんでした。話を聞くと父親のSさんの不動産に抵当権を設定されたそうです。そこで私も思い出しました。半年ぐらい前のことでした。男が3人事務所に来て、Sさんの土地に抵当権を設定して欲しいとのことでした。他人の土地に抵当権を設定するのかと思い少し疑いを抱きました。電話帳で電話番号を調べて早速Sさんに直接電話をしました。Sさんが電話に出ましたので尋ねました。「抵当権を設定したいと男が3人きましたが、ご承知ですかね?」するとSさんは「わしゃ知らん、わしゃ知らん」と2度否定しました。それを聞いて即決めました。「Sさん大丈夫ですよ、私ははっきりと断りますからね、安心して下さい」そう言って電話を切りました。1週間後、3人の男が事務所に入ってきました。ソファーにちょこんと座りました。今でも思い出します。まるで桃太郎に仕える犬、猿、雉のように、さあ先生、きびだんごを下さいと言ってる様でした。私も目を合わさないようにして言いました。「あんまりいい加減なものを持って来るなよ」と、すると一瞬事務所の中が凍りついたようになってしまいました。私もしまった野球のバットを机の下に隠しておけばよかったと思いました。2,3秒静まり返っていましたが、次の瞬間3人の男は脱兎のごとく事務所から飛び出して行きました。私も出て行った3人の後ろ姿を見ながら事務所の中で手をたたいて大笑いをしました。仕事を断るのは一生の内で何回もあるものではありません。初めてかもしれません。Sさんの息子さんは所有農地の全部に抵当権や根抵当権を打たれたと言いました。7,8人の司法書士が登記をしたそうです。「他の司法書士はみんな登記をしたが川崎だけは断った。あいつはえらい、あいつはえらい、と言われたと詐欺師の3人が先生のことを言っていました」と息子さんは私に言いました。勿論この土地は抵当権詐欺ですので、借金など返すこともなく全て競売物件になり宅地(借地)以外は居宅も全部処分されました。競売で処分された土地の面積は農地で6500平方メートル、その後、私が断ったことを知ってる人たちが、競売物件を落とすために私に裁判所に提出する農地の適格証明書を作成して欲しいと何人かの人が依頼に来ました。その中の人は今でも抵当権の抹消登記などは詐欺登記をした先生に登記料を払いたくないためにわざわざ私を指名してくれます。
こんな登記を誰が登記をしたか、私も息子さんが来た当時に共同担保目録(目録欄に申請書を作成した司法書士の氏名が記載されている)つきの土地謄本を取って調べてみました。豊橋の司法書士の方は1人で350万と400万の抵当権を2件設定している人もいます。田原町の先生も1000万根抵当権を設定していました。私は田原の先生に同業者の会合の席で一言苦言を言いました。「あんたはたくさん仕事をしてるんだからこんな登記は断るべきだ、私だって断ったから、あんたも断ることができたはずだ」と言いました。こんな登記を地元の私がやったら、仕事はもうないでしょう。又、この登記でおかしいところは債務者もSさんになっており70才を過ぎた男が金を払えるとはとても思えないのに登記を疑いもせずにした。設定登記の全部が債務者はSさんになっている。本当に金を貰った男はうまく逃げている。おかしいと思ったら登記は断るべきだ。それと、知人のY氏の話だと金を貸した後順位権利者の、人のいい金貸しの人は1千万以上の損害があったそうです。土地の評価もしなかったのか、司法書士も黙って登記をしてたのかね、自分が儲かればなにをやってもいいのかね。ほんとに司法書士もなめられたもんだ。登記料3万円か4万円のハシタ金を儲けるために、何千万円も損させられたらたまらない。新人司法書士はここのところをよく考えて下さい。このような登記は地元とは関係ない遠方の先生だからできるのかも知れません。尚この事件を調査して私が登記を断った事を知ってる知人のY氏が私の事務所に時々来ますが、近くの〇〇市でもこのような事件があり、その人は1億円やられたと言っていました。又、Y氏の話だとSさんは大正生まれで70才を過ぎていた年齢もあり、その後急速に驚くほど早く認知症が進んだと言っていました。だまされて財産を失い希望をなくした人は病気の進行が驚くほど早いと思いました。この抵当権を設定登記した司法書士の先生達は、この方の悲惨で死期を早めた最期を全く知らなかったと思います。Sさんの配偶者の方もきっと苦労したと思います。Sさんの悲しい最後を知っている司法書士は私だけだと思います。
新人もベテラン司法書士の方も、以上の事を頭に入れて、詐欺師の片棒をかつがないよう充分注意して仕事をしてくださいお願いします。
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こんな登記を誰が登記をしたか、私も息子さんが来た当時に共同担保目録(目録欄に申請書を作成した司法書士の氏名が記載されている)つきの土地謄本を取って調べてみました。豊橋の司法書士の方は1人で350万と400万の抵当権を2件設定している人もいます。田原町の先生も1000万根抵当権を設定していました。私は田原の先生に同業者の会合の席で一言苦言を言いました。「あんたはたくさん仕事をしてるんだからこんな登記は断るべきだ、私だって断ったから、あんたも断ることができたはずだ」と言いました。こんな登記を地元の私がやったら、仕事はもうないでしょう。又、この登記でおかしいところは債務者もSさんになっており70才を過ぎた男が金を払えるとはとても思えないのに登記を疑いもせずにした。設定登記の全部が債務者はSさんになっている。本当に金を貰った男はうまく逃げている。おかしいと思ったら登記は断るべきだ。それと、知人のY氏の話だと金を貸した後順位権利者の、人のいい金貸しの人は1千万以上の損害があったそうです。土地の評価もしなかったのか、司法書士も黙って登記をしてたのかね、自分が儲かればなにをやってもいいのかね。ほんとに司法書士もなめられたもんだ。登記料3万円か4万円のハシタ金を儲けるために、何千万円も損させられたらたまらない。新人司法書士はここのところをよく考えて下さい。このような登記は地元とは関係ない遠方の先生だからできるのかも知れません。尚この事件を調査して私が登記を断った事を知ってる知人のY氏が私の事務所に時々来ますが、近くの〇〇市でもこのような事件があり、その人は1億円やられたと言っていました。又、Y氏の話だとSさんは大正生まれで70才を過ぎていた年齢もあり、その後急速に驚くほど早く認知症が進んだと言っていました。だまされて財産を失い希望をなくした人は病気の進行が驚くほど早いと思いました。この抵当権を設定登記した司法書士の先生達は、この方の悲惨で死期を早めた最期を全く知らなかったと思います。Sさんの配偶者の方もきっと苦労したと思います。Sさんの悲しい最後を知っている司法書士は私だけだと思います。
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