2018年 12月の記事一覧
この掛軸は今年の8月に落札しました。今回の掛軸は大幅で双幅です。二本入りですね。軸先までの長さが120センチあります。軸先は象牙で、直径は4センチあります。落札その1の掛軸と変わらない直径です。しかし桐箱は最悪です。修繕出来ません。私も修繕が好きでして、届くとすぐに修繕できるものは直しますが、これは無理ですね。痛みがありすぎです。虫食いやガムテープではっつけてあり、新品を買ったほうがいいくらいです。このまま二重箱を作って入れたいですが、送られてきた段ボール箱を二重箱にしてそのまま入れてあります。私の掛軸で段ボール箱が二重箱にしている掛軸は多いですよ。刀の鞘のように箱を最初から8対2の割合で途中から切り分けて使っています。遅れましたが、この掛軸の画家は狩野永徳高信です。江戸中期の画家で1740年生まれで1795年に亡くなっています。名前に永徳が入っていますが、初代の永徳ではありません。中橋狩野の奥絵師になります。この人は名鑑には載っていませんが、師である父は中橋狩野11代狩野英信で名鑑に載っています。この狩野永徳高信という画家は下手な画家ではないと思います。永徳を名乗っていますし、33才で法眼になっていますからね。下手ではないと思います。勿論絵は細密の楼閣山水の大幅の双幅ですからね、見ごたえがある素晴らしい掛軸ですよ。人物もしっかりと上手に描かれています。この絵は大きなお城の大広間に掛けていたと思います。殿様が座る後ろに掛かっていたと思います。この殿様が分かればすごいお宝になりますよ。殿様が判れば落札は無理だったと思います。この掛軸と全く同じ時期に2本いいものが出ていまして、その二本はすぐに値段が上がっていきました。二本とも最終的には50万円になりましたね。その二本は名鑑に載っている画家でしたので、落札者が欲しくて上がったと思います。資金不足の私には無理ですね。しかし、この楼閣山水だけは上がらずに取り残されていました。それで私が目をつけて、落札出来た次第です。勿論双幅ですからね、それなりの値段でした。郵便局から受取人払いで1900円払って受け取りました。
» 続きを読む
この掛け軸は、今年の6月に落札しました。この画家の名は春木 南溟(はるきなんめい)です。明治11年に亡くなっています。この方の師は父の春木南湖です。実を言いますと、前に私がこの春木南湖の掛軸をオークションで落とそうとしたことがあります。このブログにも書いたことがあります。16万まで追いかけたのですが、資金不足で負けてしまいました。相手は2万円刻みで上げていきまして、あきらめた次第です。春木南湖のその時の掛け軸名は西園雅集図です。30人の人物が描かれた絵です。あの絵は本当にいい絵でした。最高傑作だったと思います。私も落札最終日を楽しみにしていましたが、諦めました。7万円ぐらいで落ちると思っていましたが、春木家のコレクターの方がいたと思いますね。何が何でも欲しかったと思います。それを感じましたので諦めました。このことがありましたので、息子の春木 南溟の絵を買った次第です。かたき討ちのようなものですよ。大幅ではありませんので、そんなに見ごたえはありませんね。でも名鑑では250万円の価格の人ですので参加してしまいました。しかしこれが意外とあっさりと落札できました。なんと2万5千円です。水墨ではなくしっかりと彩色されています。落札その1の掛軸も極彩色でしたが、もしこの絵が大幅ならばかなりの値段になったと思います。本当に父親の春木南湖の絵が今でも残念でなりません。
» 続きを読む