相続人と遺族の違い972
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前回は契約の基礎と親族法における契約を見ていきました。
今回もその続きです。
話のあらましだけでみるとなかなか強欲な母親に写ります。尚、一応フィクションを謳ってはおりますが、この母親の主張(年金云々)は実際に裁判で主張されています。
この問題は、婚姻届作成までは真正な意思を有していた事(つまり仮装婚ではない)、しかし届出時においては意識を失っていた事による乖離をどう判断するのか?と言う点です。はたして結果は?
最高裁まで言っているみたいですが、母親の負けです。
以下は裁判所HPによる判例検索からの引用です。
「
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告人の上告理由第一点について。
本件婚姻の届出が亡Dの意思に基づくものであつて、有効である旨の原審の認定判断は、原判決(その引用す る第一審判決を含む。以下同じ。)挙示の証拠に照らして肯認することができる。したがって、原判決に所論の違法はなく、所論は、ひつきよう、原審の専権に 属する証拠の評価ないしは事実の認定を非難するに帰し、採用することができない。
同第二点について。
将来婚姻することを目的に性的交渉を続けてきた者が、婚姻意思を有し、かつ、その意思に基づいて婚姻の届書 を作成したときは、かりに届出の受理された当時意識を失つていたとしても、その受理前に翻意したなど特段の事情のないかぎり、右届書の受理により婚姻は有 効に成立するものと解すべきであり(最高裁判所昭和四一年(オ)第一三一七号同四四年四月三日第一小法廷判決、民集二三巻四号一頁参照)、本件婚姻届書の 作成および届出の経緯に関して原審の確定した諸般の事情のもとにおいては、本件婚姻の届出を有効とした原審の判断は相当である。したがって、原判決に所論 の違法はなく、論旨は採用することができない」
次回に続きます。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
藤原司法書士事務所(柏・藤原合同事務所)
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