前回まで遺産分割の対象となる財産について説明しました。

今回は協議による分割を説明します。

協議による分割の場合は協議が成立する限り、内容的にどのような分割がなされても構わないことになっています。具体的相続分率に従わない分割も有効となります。共同相続人が納得していれば実質的に一人に集中させることも可能です。

では分割協議に瑕疵(何かしらの欠陥)があった場合にはどうなるのでしょうか?

①参加すべき相続人が参加できなかった場合

これについては以前も説明したとおり協議全部が無効となります。但し強制認知の場合にのみ価額賠償による請求が認められます。

②分割協議における詐欺・錯誤(勘違い)・強迫等

これらについては民法の総則の原則に従います。(今回は省略します)

③協議は有効に成立したのに協議で決めた内容を守らないものがいた場合

例えは夫が死亡し妻乙と子ABCの4人が相続人となり分割協議で長男のAに母甲の面倒を見る代わりに遺産の大部分を相続させる旨の協議が成立後、しかしAは約束を守らず母甲に扶養もせず暴力までふるうようになってきた場合、約束を守らなかったとしてBC及び甲が遺産分割の解除を求めてることが果たして民法の契約法同様に債務不履行を理由とする解除と同じくが認められるのでしょうか?

次回説明します。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



藤原司法書士事務所

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