前回は遺言の全体像について説明しました。

今回は「自筆証書遺言」について説明します。

この遺言は満15歳以上で意思能力があれば誰でも簡単に作成することができます。

まず遺言者がその全文、日付、氏名を「自筆」し「押印」するだけで完成します。が手軽さが故に紛失偽造変造の危険もあり、さらに方式を間違えると遺言書そのものが無効になってしまう可能性を潜んでいます。

では無効となってしまう可能性とはどのようなものでしょうか?

「自筆」と呼ばれるとおり、PCで作成したものは効力を持ちませんが、他方手が震えるなどの理由により他人の助けを借りて(手を添えるなど)運筆したものはそれだけでは自筆能力は否定されません(最判昭和62.10.8)。またカーボン複写の方法による遺言も有効とされています。

次に「押印」ですが印鑑は実印に限られませんし、拇印でも構わないとされています。押印の場所には限定はありません。

最後に「日付」ですが、この日付は特定できる日でなければなりません。その理由として遺言は後から作成した遺言により前の遺言の内容を撤回できるからで、作成の前後が明らかでなければ紛争の火種となってしまうからです。具体的には「還暦の日」は日付を特定できますが「平成○○年1月吉日」は日付を特定できないとして無効となります。

他にも遺言は共同遺言を禁止していますので、例えば夫婦が子供に対して共同で作成した遺言は無効となってしまいます。

また、不動産に関して遺言を作成する場合住居表示と地番が異なっていることも多いのでその遺言書で登記をすることが多少困難になってしまう場合とかもあります。

自筆証書遺言を作成する場合には我々司法書士等の専門家に相談されることをお勧めします。

次回は「公正証書遺言」について説明します。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



藤原司法書士事務所

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