2011年 12月の記事一覧

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11年12月31日 09時00分23秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は限定承認について説明しました。

今回は財産分離制度について説明します。

この制度は限定承認よりも知られていない制度だと思います。

限定承認が相続人の利益のための制度であれば財産分離は被相続人への債権者(相続債権者)と相続人に対する債権者の利益を確保するための制度と言えます。どういうことでしょうか?

まず相続債権者の利益を守るための財産分離、「第1種財産分離制度」から説明します。

相続財産はプラスであるのに対しそれを相続する相続人に多額の借金があった場合、相続人が相続財産をそのまま相続すると相続財産が相続人の債務と混同してしまい、相続債権者が債権の回収ができなくなってしまう恐れが発生します。そのため相続債権者又は受遺者は相続開始時から3か月以内に又は相続財産が相続人の固有財産と混同しない間は家庭裁判所に「第1種財産分離」を請求することができます。

第1種財産分離が命じられると相続財産は相続人の財産とは区別され相続債権者は相続人の債権者に対し優先して相続財産から弁済を受けることができます。

限定承認と違う点として

①相続開始を「知ったとき」ではなく相続開始時が起算点となっていること

②仮に相続財産から全部の弁済を受けることができなかった場合、相続人の固有財産にかかっていくことも可能です。(但し相続人の債権者には劣後します)

次回は第2種限定承認を説明します。



今年もあとわずかです。

私自身も最悪の1年でしたが、来年こそはいい年であると信じて



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11年12月30日 08時44分25秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は限定承認について説明しました。

今回はその続きです。

限定承認の効力として被相続人に有していた相続人の権利義務は消滅しなかったとみなされます。

これはどういう意味でしょうか?

通常単純承認の場合被相続人の権利義務を相続分で承継します。この際仮に被相続人にお金を貸していた等の権利は被相続人の義務を相続することにより「混同」と言われる規定により消滅してしまいます。が限定承認の制度は相続財産での清算を目的としているため、消滅しないことを確認しています。

そして「相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済することを留保して」相続することになります。

次回は限定承認に似通った制度「財産分離」について説明します。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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11年12月29日 09時08分38秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は法定単純承認の但し書きについて説明しました。

今回は限定承認について説明します。

相続する財産も多いが債務も相当ある場合、最終的にはプラスになるかマイナスになるか分からないとき、まず相続財産で清算を行い、プラスになれば相続を行い、マイナスならば放棄する制度が限定承認の制度です。これだけを聞けばかなり合理的で相続人にとって利益のある制度だといえますがほとんど利用がない制度となっています。どうしてでしょうか?

この制度自体を知らない方も多いせいもあるでしょうが、利用が少ないのはそれだけでなく、かなり手続きが面倒である点や一つ間違えれば損害賠償を負ってしまう点もこの手続きを行うハードルの高さにつながっているといえます。

その手続きを説明していきますと

①熟慮期間に相続財産の財産目録を調整して

②相続人「全員」が家裁に限定承認の申述をして

③相続財産の債権者に債権の申し出を官報により行い

④相続財産の範囲で弁済を行い

⑤遺贈があれば受遺者へ弁済を行い

それでも残余財産があれば相続を行うといった手続きになります。②でも出てくる通り相続人「全員」がこの手続きに関与していかなければなりません。(放棄者は除く)このような行為を専門家を交えずに進めることはほぼ不可能に近いです。

次回も限定承認について説明します。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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11年12月28日 08時50分53秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は共同相続における熟慮期間の起算点について説明しました。

今回は法定単純承認の但し書きについて説明します。

相続人が選択権行使後(放棄や限定承認の意思表示)に相続財産の全部または一部を隠匿し私にこれを消費し又は悪意(ワザとの意)でこれを財産目録中に記載しなかったとき但しその相続人の放棄により相続人となった者が承認した後は適用されないとされています。

この但し書きはどういう意味なのでしょうか?

この場合先順位者が放棄したため、相続が次順位に移行した場合にこの規定がまともに適用になるとせっかく次順位者が相続をする覚悟を決めたのに先順位者が相続人として復活する反面次順位者が相続人で無くなってしまうので但し書きでそれを防ぐことを目的としています。

もともとこの規定は相続財産に対する債権者に対しての背信的行為を働く相続人へのサンクション(制裁)の規定ですので別に相続人が現れるのであれば債権者を害することは無くなります。そのため相続人として復活させることのしなくてすみます。ただその先順位者がこのような行為を働いたことで何も制裁がないといえばそれは違います。当然相続財産に対し何も権利が無くなったので、このような行為を働けば刑法上窃盗や横領に問われますし、民法上も悪意の受益者として不当利得返還請求の対象となります。

次回は限定承認について説明します。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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11年12月27日 08時08分37秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は単純承認とみなされる行為について説明しました。

今回は共同相続人がいた場合に自己のために相続が開始されたことを知ったときの起算点はいつになるのかを説明します。

被相続人が死亡して複数の相続人が存在する場合はどうなるのでしょうか?各自バラバラなのかもしくは共同相続人の一人が覚知したときなのかどちらでしょうか?

この場合熟慮期間の起算点は各人別々に進行するとされています。(最判昭和51.7.1)

またこの熟慮機関は利害関係人または検察官の請求により家庭裁判所で身長も可能です。(検察官が関与するのは検察官は公益の代表者であるとされているためで実際には検察官が関与することはまれです)

今回は短いですがここまでにします。

次回は法定単純承認の但し書きについて説明します。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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11年12月26日 08時51分41秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は単純承認をしたとみなされる行為について説明しました。

今回はその続きです。

さて、例えば甲は父親乙多額の借金を抱えたまま失踪してしまいその3か月後に誰も使用しない父名義の車を売却したとします。ところが後日父乙は失踪直後死亡していたことが判明しました。甲はその事実を知らずに車を処分してしまったのですが上記規定により単純承認してしまったとして父の借金を相続しなければならないのでしょうか?

甲は乙の死亡の事実を知らずに処分行為を行いました。このような場合最高裁は「相続人に単純承認の意思があった者と認めるに油はない」とし、法定単純承認になるには「相続人が自己のために相続が開始したことを知りながら相続財産を処分したか、又は、少なくとも相続人が被相続人の死亡した事実を確実に予想しながらあえてその処分をしたことを要する」(最判昭和47.4.27)として善意(事実について知らないの意)の相続人を保護しました。

ところで相続放棄の起算点となる相続開始を知ったときは複数の相続人が存在する場合はどうなるのでしょうか?各自バラバラなのかもしくは共同相続人の一人が覚知したときなのかどちらでしょうか?

次回説明します。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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11年12月25日 09時31分25秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は相続の開始があったことを知ったときとはいつを指すものかを説明しました。

今回は相続放棄の続きです。

さて単純承認は相続の開始があったことを知ったときから3か月経過しても放棄や限定承認の意思表示をしなければ単純承認をしたものとみなされることは以前説明しましたが、その外にも相続人がこの熟慮期間中にある行為を行えば単純承認したものとみなされる場合があります。どのような場合でしょうか?

まず相続人が選択権行使前に相続財産の全部または一部を処分したときには単純承認したとみなされます。つまり相続財産を処分したということは相続財産を承継する意思があるから処分できたとみなされるわけです。但し保存行為や民602で定める短期の賃貸借は処分には当たりません。また相続財産である不動産賃貸物件の賃料を受領する行為も保存行為ですので処分には当たりません。

次に相続人が選択権行使後(放棄や限定承認の意思表示)に相続財産の全部または一部を隠匿し私にこれを消費し又は悪意(ワザとの意)でこれを財産目録中に記載しなかったとき但しその相続人の放棄により相続人となった者が承認した後は適用されないとされています。

但し書き以下は別途また説明しますがこの規定はどういう意味でしょうか?

まず「私に」とは債権者を害することを知りながらという意味であり「消費」には処分の意味も含まれます。「財産目録」とは限定承認の場合に調製が必要となるものです。

ではこのような場合も単純承認とされてしまうのでしょうか?

甲は父親乙多額の借金を抱えたまま失踪してしまいその3か月後に誰も使用しない父名義の車を売却したとします。ところが後日父乙は失踪直後死亡していたことが判明しました。甲はその事実を知らずに車を処分してしまったのですが上記規定により単純承認してしまったとして父の借金を相続しなければならないのでしょうか?

次回説明します。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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11年12月25日 09時30分34秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は相続放棄について説明しました。

今回は相続の開始があったことを「知ったとき」とはいつになるのかを説明します。

相続の開始があったことを知った時が単に被相続人の死亡を覚知したときとするとある問題が出てきます。

例えば悪質な債権者が被相続人の死亡後3か月間請求せず放棄ができなくなってから請求されてしまうと事実上放棄の制度が崩壊してしまいます。

このような問題に対し最高裁は3か月以内に相続放棄をしなかったことが、被相続人の相続財産が全く存在しなかったと信じたためでありそのように信じたことについて相当な理由があるときは熟慮機関は「相続財産の全部または一部の存在を認識したとき又は通常これを認識すべき時から起算」すべきとして必ずしも被相続人の死亡から起算するわけではないことを判事しています。

次回も放棄について説明します。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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機能は更新し忘れていました
申し訳ありません
11年12月23日 10時15分23秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は遺産分割の効力について説明しました。

今回は相続放棄について説明します。

以前相続は放棄できる旨を説明しました。

具体的にはどのような手続きになるのでしょうか?

相続が開始すると何もしない限り相続人は相続財産を承継します。があえて相続人の意思で拒否したり制限したりすることができます。その相続人に与えられた選択肢は

①相続を完全に拒否する意思表示=相続放棄

②相続財産がプラスかマイナスになるか微妙な場合とりあえず相続財産の清算をしてその結果プラスが出れば相続をして、マイナスならば放棄する=限定承認

③相続財産を承継する=単純承認

の3パターンがあります。

特に単純承認の場合放棄や限定承認の意思表示をしなければ単純承認の意思表示をしたものとみなされます。ということは当然放棄等の意思表示ができる期間を制限しなければ成立しません。それを熟慮機関と呼びます。その熟慮機関とはどのくらいの期間でしょうか?

民法は相続放棄は自己のために相続が開始があったことを「知ったとき」から3か月以内になされなければならないとされています。ではしばしば問題となる相続が開始があったことを「知ったとき」とはいつを指すのでしょうか?

次回説明します。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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11年12月22日 09時04分45秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は遺産分割の効力について説明しました。

今回もその続きです。

遺産分割の効力について遡及効はあるが、第三者との関係では不動産登記の先後によって決着することは前回説明したとおりですが、相続放棄の場合はどうなるのでしょうか?

例えば共同相続人乙が相続放棄を行う前に乙の債権者が相続登記を行い(実は相続登記は相続人の債権者も行うことができます)乙の持ち分を差し押さえ第三者に売却し、その後乙が相続放棄を行った場合唯一の相続人となった甲はその不動産の取得を第三者に主張できるのでしょうか?

この件に関し最高裁は遺産分割とは異なり「相続放棄の効力は絶対的であり、何人に対しても、登記なくしてその効力を生じると解すべきである」(最判昭和42.1.20)として第三者が生じても相続人が遺産の取得を主張できると判事しました。

次回は少し脇道にずれますが、この相続放棄についてもう少し深く説明していきます。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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11年12月21日 09時00分14秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は遺産分割の効力について説明しました。

今回はその続きです。

例えば遺産分割により相続人甲がある不動産を手に入れたとします。しかし別の相続人乙が甲に内緒で相続登記を行い(実は相続登記は相続人の一人からすることが可能です)自己の持ち分を第三者に売り渡した場合、甲は第三者に対し自己の持ち物であるとの主張ができるのでしょうか?これが仮に売買契約であれば(例えば売主乙が甲に不動産を売却しその移転登記をする前に別の第三者に不動産を二重に売り渡した場合)登記の前後によって持ち主が決まりますが、この契約法の論理を相続にも持ち込めるのでしょうか?

この問題に対し最高裁は「遺産の分割は、相続の開始の時にさかのぼってその効力を生じるものではあるが、第三者に対する関係においては、相続人が相続によりいったん取得した権利につき分割時に新たな変更が生じるのと実質上異ならないものである」(最判昭和46.1.26)として契約法の論理が適応されることを示しました。

では、これと似たような件で共同相続人乙が相続放棄を行う前に乙の債権者が相続登記を行い(実は相続登記は相続人の債権者も行うことができます)乙の持ち分を差し押さえ第三者に売却し、その後乙が相続放棄を行った場合唯一の相続人となった甲はその不動産の取得を第三者に主張できるのでしょうか?それとも上記と同じように登記の先後で決着してしまうのでしょうか?

次回説明します。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



藤原司法書士事務所

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☎099-837-0440
11年12月20日 08時45分36秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は審判による遺産分割について説明しました。

今回は遺産分割の効力について説明します。

遺産分割の効力は民法909条にて「遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生じる」とされ「ただし、第三者の権利を害することはできない」と続きます。

これらはどういう意味でしょうか?

例えば遺産分割により相続人甲がある不動産を手に入れたとします。しかし別の相続人乙が甲に内緒で相続登記を行い(実は相続登記は相続人の一人からすることが可能です)自己の持ち分を第三者に売り渡した場合、甲は第三者に対し自己の持ち物であるとの主張ができるのでしょうか?これが仮に売買契約であれば(例えば売主乙が甲に不動産を売却しその移転登記をする前に別の第三者に不動産を二重に売り渡した場合)登記の前後によって持ち主が決まりますが、この契約法の論理を相続にも持ち込めるのでしょうか?

次回説明します。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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☎099-837-0440
11年12月19日 08時59分49秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は遺産分割の合意解除について説明しました。

今回は遺産分割協議ができない場合どのような流れになるか説明します。

遺産分割協議が調わない場合またはできない場合共同相続人は家庭裁判所に遺産分割の清秋をすることができます。(民907)これらは調停や審判によって行われます。また家庭裁判所は「遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して」分割をなされなければならないとされています。

遺産分割の方法としては①現物分割②共有③換価分割④代償分割⑤用益権の設定があり状況に応じて柔軟な対応がなされます。

また共同相続人の具体的相続分の確認を求める訴えは遺産分割の審判の中で行うべきことであるから不適法とされますが、ある特定の財産が被相続人の遺産に属することを確認する訴えは適法であるとされています。皿に遺言無効確認の訴えもその遺言が有効であるとすればそれから生じるべき現在の特定の法律関係が存在したいとの確認を求めるものと解される場合で、原告がかかる確認を求める法律上の利益を有するときは適法と解するべきであるとされています。(最判昭和47.2.15)

次回は遺産分割の効力について説明します。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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☎099-837-0440
11年12月18日 09時00分25秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は遺産分割協議の債務不履行解除が認められるかについて説明しました。

今回は遺産分割協議の合意解除が認められるかについて説明します。

遺産分割協議に参加できるすべてのものが遺産分割協議のやり直しをすることは、遺産分割協議の債務不履行解除と同様に認められないものでしょうか?

実は最高裁判所は遺産分割協議の債務不履行を認めなかった翌年に「共同相続人の全員が、すでに成立している遺産分割協議の全部または一部を合意に解除した上で改めて遺産分割協議をすることは法律上当然妨げられるものではない」=遺産分割のやり直しは全員の合意があればできると判断しています。(最判平成2.9.27)多少矛盾を感じなくもないのですが、債務不履行解除の場合は一人のために全員やり直しを求められるのは大変だが当事者同士が納得しているのであればいいであろうとの判断なのでしょうか?

次回は審判による遺産分割や遺産分割の効力について説明します。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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11年12月17日 09時34分23秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は遺産分割協議の瑕疵について説明しました。

今回はその続きです。

例えは夫が死亡し妻乙と子ABCの4人が相続人となり分割協議で長男のAに母甲の面倒を見る代わりに遺産の大部分を相続させる旨の協議が成立後、しかしAは約束を守らず母甲に扶養もせず暴力までふるうようになってきた場合、約束を守らなかったとしてBC及び甲が遺産分割の解除を求めてることが果たして民法の契約法同様に債務不履行を理由とする解除と同じくが認められるのでしょうか?

これについて最高裁判所は解除を認めないとの判断を下しました。(最判平成元.2.9)理由としてa遺産分割はその性質上協議の成立とともの終了し、その後は協議において債務を負担した相続人と債権を取得した相続人間の債権債務関係だけが残るだけと解するべきだとしたこと、b解除を認めると「民909条本文により遡及効を有する遺産の再分割を余儀なくされ、法的安定性が著しく害される」ことであるとのことでした。

では逆に遺産分割に参加しうる資格を持った者が全員合意のもと遺産分割をやり直したいとした場合、やはり蒸気と同じ理由でやり直すことはできないのでしょうか?

次回説明します。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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