2016年 1月の記事一覧
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前回は契約の基礎と親族法における契約を見ていきました。
今回もその続きです。
前回の条文第1項に「人違い」により婚姻の意思が無いときと定められているのに違和感を感じる方もおられると思います。人違いで結婚なんかしないだろうと。
こ の人違いをどう考えるか?これはあくまで私見ですが、民法は大変古い法律です。明治31年までさかのぼります。家族法の分野(725~1044条)は日本 国憲法施行に伴いほぼ全面的に改正されたと言っても過言ではありませんが、その改正はあくまで男女平等及び家制度の廃止に伴うものであり、それ以外の部分 については尚以前を踏襲されています。(先日話題となった女性の再婚禁止期間など)そして現代においては自由恋愛による婚姻が当たり前の世の中ですが、 (昔をそんなに知っているわけではありませんが)結婚相手が予め決められていたりした時代そんな時代もあったでしょう。(少し中島みゆき風ですが)そんな 時代において婚姻相手が、「人違い」であった事もあるのでは?だからこそあえてこのような条文を制定したのでは?と私は考えています。
次回に続きます。
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前回は契約の基礎と親族法における契約を見ていきました。
今回もその続きです。
婚姻の取消は、将来に向かってのみ効力が発生しないのでその効力は離婚と同じです。しかし婚姻にも無効原因が存在しておりその規定もあります。
まずは条文確認です。
(婚姻の無効)
- 第742条
- 婚姻は、次に掲げる場合に限り、無効とする。
- 人違いその他の事由によって当事者間に婚姻をする意思がないとき。
- 当事者が婚姻の届出をしないとき。ただし、その届出が第739条第2項に定める方式を欠くだけであるときは、婚姻は、そのためにその効力を妨げられない
と定められています。 無効との最大の違いは、婚姻における取消は上記の通り遡及効(過去に遡って効力を発すること)がありませんが、無効は最初からなかったことになるので婚姻で発生する効力や法律関係全てが否定されるという事を意味します。
次回から詳しく観ていきます。
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前回は契約の基礎と親族法における契約を見ていきました。
今回もその続きです。
今日もまだまだ寒いです。皆様はどうお過ごしでしょうか?
さ て、制限行為能力者のうち未成年者は他の制限者と異なり未成熟であるので行為能力の制限を受けます。よってその保護者(通常は親権者たる親)がその未成年 者になり替わり法律行為を行うのはある意味当然とも言えます。しかしそれでも単独でできる行為も存在します。まず養子縁組は満15歳に達すると家庭裁判所 の許可を受けるとは言え単独でできますし、婚姻適齢に達していれば父母の同意は必要ですが婚姻も可能です。(同意を欠いたとしても一旦受理されると有効、 取消は不可)しかし未成年者だからこそ難しい点もあります。例えば遺産分割協議をするときに未成年者が相続人であれば事実上困難になってきます。と言うの も未成年者が相続人になるような場合を仮定すると、父が死亡し母とその他の兄弟が相続人となりまず母と利益が相反してしまうのでこのままでは協議が出来ま せん。そのため家庭裁判所に特別代理人を選任する手続きを取らなくてはならなくなり、しかもその選任は未成年者ごと(各人に)行わなければならずその特別 代理人も未成年者不利益になる協議が出来ないのでこの時点でとん挫することは決して珍しくありません。このような場合私は遺産分割の緊急性が無ければお子 さんがみんな成人してからでも遅くありませんよとアドバイスしたりします。
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本日は雪のため電話のみの受付となります。申し訳ありません。相続に関するお悩みをお持ちならお気軽にご相談くださいませ!その他債務整理等も随時相談受付中!
前回は契約の基礎と親族法における契約を見ていきました。
今回もその続きです。
土曜日の時点では大雪は嘘なんじゃないかと思いましたが、まさかこんなに降ろうとは。奄美で雪が降ったくらいなのでそりゃあって感じですが。本日は上に書いてある通り申し訳ありませんが、事実上事務所は閉鎖状態ですので電話のみの受付となります。ご了承くださいませ。
さて、前回の続きで、未成年を除く制限行為能力者の規定は家族法には当てはまらないという事を書きました。条文の確認です。
(成年被後見人の婚姻)
- 第738条
- 成年被後見人が婚姻をするには、その成年後見人の同意を要しない。
と 定められています。 成年被後見人しか書かれていないのは被後見人が一番意思能力の欠如が重いのにもかかわらず保護者の同意不要であればあえて他の被保佐人等を定める必要はな いからです。これ以外でも例えば非嫡出子への認知は後見人の同意が不要であったり(民780)するのは、制限行為能力制度(未成年者を除く)は保護者が本人の「財産」を守るためのものであって身分に関してまで口をはさむものではないと言う趣旨があったりします。
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前回は契約の基礎と親族法における契約を見ていきました。
今回もその続きです。
補足を忘れていました。と言うのも通常の取消の規定が、そのまま家族法にも当てはまるのか?と言う問題です。
詐 欺強迫については別途規定が存在します。これは通常の取消の規定と少し異なります。(家裁に請求しないといけないなど)これを一般法と特別法との関係であ るといいます。特別法とは一般法に規定されているものと内容に変化がある場合、その変化がある内容については特別法が優先して規定されることを指します。
ではその他に特別法の関係にある規定として、身分行為については未成年者を除く行為制限能力者の法律行為の制限規定の適用が無いことが挙げられます。また未成年者は未成年者独自の規定により、ある一定年齢に達すると独自に行えたりするものも出てきます。
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前回は契約の基礎と親族法における契約を見ていきました。
今回もその続きです。
婚 姻禁止事由違反の取り消しの特徴として、当事者以外のものにも取消権を有すると言ったものがあります。詐欺強迫は。婚姻に限らず当事者のみですし、行為制 限能力者の法律行為の取消権はその保護者も有していますが、これは本人を守るためのものであるので事実上当事者であると言えるのに対し、禁止事由違反はこ れと異なります。具体的には当事者の親族、再婚禁止事由違反は前婚配偶者、そして検察官も取消権を有しています。まず親族が取消権を有するのは相続など婚 姻によって様々な利害関係があるからだと言われています。異質なのが検察官が持つ取消権ですが、家族法の分野では検察官は公の利益の代表者としての取り扱いを受けるため、これ以外でも様々な場面で登場します。
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前回は契約の基礎と親族法における契約を見ていきました。
今回もその続きです。
詐欺強迫以外の取り消し、婚姻禁止事由の場合その事由により取り消し期間が異なります。
まず近親婚・養親子間・直系姻族間の場合取消期間に制限はありません。
次に不適年齢の婚姻は、その婚姻が不適年齢に該当している限り取消は可能ですが、適齢に達した時。当事者以外の取り消しはもはや不可能となります。不適年齢者のみ適齢に達した後3か月以内であれば取消が可能です。
再婚禁止期間は現在の規定はおそらく変更される可能性が極めて高いので割愛します。
ちなみに未成年者の父母の同意を欠いた婚姻は取消事由には該当しません。
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前回は契約の基礎と親族法における契約を見ていきました。
今回もその続きです。
行為制限能力者や詐欺強迫の法律行為の取消権は追認できる時から5年と言う期間はよく考えると結構長い期間です。これに対し婚姻の取り消しはその事由によって期間が定められていますがかなり短い期間となっています。
まず詐欺強迫の取り消し期間は「詐欺を発見しまたは強迫を免れてから3カ月」以内と定められており通常のものよりかなり短めとなっています。
これは身分行為は、通常の法律行為よりもより法的効果を生んでしまうため安定性を考えたときに期間を短くしなければならないと言う考えに基づいています。
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詐 欺強迫における取消権には期間の制限が付いています。それは追認できる時から5年間、または行為の時から20年間と定められています。この追認とは、本来 問題のある法律行為を「問題なし!」として取り扱おうとする意思ですがこれにより二度と取消が不可能になる行為でもあります。これは意思表示でもできます が、その行為(ある事実)が追認と同視してしまう行為でも追認とみなされる場合があります。これを法定追認と呼びますが、それを挙げると
1、全部又は一部の履行
2、履行の請求
3、更改
4、担保の供与
5、取消すことができる行為によって取得した権利の全部又は一部の譲渡
6、強制執行
と規定されています。但し上記の行為も異議を留めれば法定追認から逃れます。
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詐欺強迫や禁止事由違反による詐欺強迫や禁止事由違反による婚姻の取り消しによる効果は、どのようなものになるのでしょうか?
通 常の詐欺強迫の場合、法律行為は遡って無効となるので原状回復義務が発生します。しかし婚姻でそれが無かった事とし原状回復義務もなんだかしっくりこない 気がします。そこで婚姻取消における法律効果は将来に向かって飲み効力を生ずると定め、(民748条、詐欺強迫以外でも同じく)遡及効果を否定して処理 し、さらにいくつかの効果を離婚に準じて処理すると定められています。(民749条)
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前回は契約の基礎と親族法における契約を見ていきました。
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まずは条文の確認をします。
- 第747条
- 詐欺又は強迫によって婚姻をした者は、その婚姻の取消しを家庭裁判所に請求することができる。
- 前項の規定による取消権は、当事者が、詐欺を発見し、若しくは強迫を免れた後三箇月を経過し、又は追認をしたときは、消滅する。
となっています。通常の詐欺強迫による取消との違いは「家庭裁判所」を通じて行わなければならない、逆に言えば単なる意思の通知だけでは足りないと言う点です。ちなみに他の取り消しも同じく家庭裁判所を通じて行わなければなりません。
ついでですので他の取消事由を簡単に取り上げます。
・婚姻適齢違反
・重婚
・再婚禁止期間内の婚姻
・近親婚の禁止
・直系姻族、養親子間の禁止(関係解消後も含む)
次回に続きます。
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前回は契約の基礎と親族法における契約を見ていきました。
今回もその続きです。
詐欺強迫による法律行為の取り消し規定は、かなり最初に書かれている規定(第96条)ですが、所謂親族法(第725条から1044条まで)にも出てくることがあります。
例えば婚姻の取り消し規定です。
婚姻の取り消しとは、婚姻の禁止事項が幾つかありますが(近親婚の禁止など)その規定に違反して婚姻をした場合に取り消すことが出来ます(但し全ての禁止事項違反が取り消せるわけではない)が、禁止事項違反以外でも詐欺強迫による場合取消が可能となっています。
次回はもう少し詳しく観ていきます。
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前回は契約の基礎と親族法における契約を見ていきました。
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も う一つ制限行為能力者の取消権と異なる点として、原状回復義務がある点を挙げることが出来ます。これは契約の解除(但し全てではない)にも共通することで すが、取消や解除により遡及的に無かったことになるので元の状態に戻さなくてはなりません。これが原状回復義務と呼ばれるものになります。当然場合によっ てはその中には消費して回復できないものも出てきます。そうなるとその消費した部分(回復が不可能なもの)は損害賠償をしなければなりません。まあ普通に 考えれば当然とも言えます。これに対し以前も取り上げましたが、制限行為能力者の取消権は現存利益の返還で足りるとされていて、消費した部分の損害賠償を 負いません。こうしてみると詐欺強迫の取消権は一種の契約解除に近いものになっています。
次回に続きます。
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今回もその続きです。
詐 欺の場合、法律行為の直接の相手方がそれを働く場合もありますが、法律行為の直接の相手方ではないものが騙した結果、別の者に法律行為を行ってしまうこと も十分考えられます。そのようなとき=要はグルではなかったときには相手方に対して取消権の効果が及ばないと言う意味です。
但し第三者に対抗できないとしても詐欺強迫を働いたものに対しては取消権行使は可能ですのでそれに対する請求や第三者詐欺による不法行為による損害賠償請求は別の話になります。
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